iPhoneの復元が10回失敗した全記録|潰した変数と、ログに残ってたもの

iOSをアップデートしたあと、バックアップからの復元が10回連続で失敗しました。

検証した環境

iPhone 16 Pro(128GB) / iOS 26.5.2(build 23F84)→ 26.6 にiTunesで更新

Windows 11 / iTunes 12.13.10.3(Microsoft Store版・従来インストーラ版の両方で検証)

ノートPC(Windows 11 / 従来インストーラ版iTunes 最新)でも同様に失敗

2日かけて、思いつく限りの変数を潰しました。結論から言うと解決してません。。。 ただ、「何が原因ではないか」は完全に証明できました。

同じエラーで検索してここに辿り着いた人のために、全部書き残します。これから同じ切り分けをやろうとしてる人は、私がやって無駄だったことを繰り返さずに済みます。

データそのものは、復元を諦めたあとにバックアップから直接取り出して救出しました。その方法は記事①にあります。復元に失敗しても、データを諦める必要はありません。


症状

iTunesのエラーダイアログ3種類を並べたもの
iTunesのエラーダイアログ3種類を並べたもの
  • 復元は毎回、数分〜26分ほど正常に進行してから失敗する
  • 止まるタイミングが毎回バラバラ(4分 / 15分 / 19分 / 25分 / 26分 / 進捗約半分)
  • エラーメッセージは複数種類が入れ替わりで出た

– 「iPhoneがコンピュータから取り外されたため、iPhone “iPhone” を復元できませんでした。」

– 「エラーが発生したため、iPhone “iPhone” を復元できませんでした。」

– 「iPhoneとの読み書き中にエラーが発生したため、iPhone “iPhone” を復元できませんでした。」

  • Windowsのイベントログには、USB切断もディスクエラーも記録されてない

「バックアップが壊れているため」だけは意味が違います

同じ作業中に「バックアップが壊れているため、iTunesはiPhone “iPhone” を復元できませんでした。」も一度出ました。これは端末の問題ではなく、バックアップ側が不完全なときに出るメッセージです。私の場合はバックアップを別のPCへコピーする途中で容量が足りず、ファイルが欠けたのが原因でした。このメッセージが出たら、まずコピーが完全か確認してください。

つまり、iTunesは「取り外された」と言ってるのに、Windowsは切断を検知してません。


潰した変数(すべて実施済み・すべて失敗)

検証した変数試した内容結果
PC本体デスクトップPCとノートPC、2台両方失敗
iTunesの系統Microsoft Store版 / 従来インストーラ版(いずれも最新)両方失敗
iTunesの再インストールアンインストール → 再起動 → 再インストール失敗
バックアップの置き場所内蔵NVMe / 外付けSSD両方失敗
USBケーブルサードパーティ製 / Apple純正 USB-C to USB-C両方失敗
USB接続形式USB-C / USB-A、ハブ経由をやめてマザーボード直挿しすべて失敗
電源管理USBセレクティブサスペンドを無効化失敗
端末の状態「すべてのコンテンツと設定を消去」で完全初期化してから復元失敗
ペアリングC:ProgramDataAppleLockdown の記録を削除して再ペアリング失敗
ディスク空き容量復元先に120GB以上を確保失敗
バックアップの整合性Manifest.dbの全63,936件と実ファイルを照合破損なし


これだけやって、全部失敗しました。


ログに何が残ってたか

asl.logの該当箇所。Faceplant→connection refusedの流れ
asl.logの該当箇所。Faceplant→connection refusedの流れ

Apple Mobile Device Support のログ(asl.*.log)に、10回すべてで同じ順序のイベントが記録されてました。

Windowsでの場所は以下です(Microsoft Store版の場合)。

C:Usersユーザー名AppDataLocalPackagesAppleInc.iTunes_nzyj5cx40ttqaLocalCacheRoamingApple ComputerLogs

中身がこれです。

(復元が正常に進行)
xx:xx:xx  Received insecure notification AMDNotificationFaceplant
xx:xx:xx  USBMuxConnectByPort failed to connect to the device on port 62078: connection refused
xx:xx:xx  AMDeviceConnect: Could not connect to lockdown port (62078): 0xe8000065 (kAMDMuxConnectError)
xx:xx:xx  AMDeviceStartSession: kAMDInvalidHostIDError
xx:xx:xx  AMDeviceSecureStartService: Failed to start service via AppleUSBDeviceMux: 0xe800001a (kAMDPasswordProtectedError)
xx:xx:xx  _TurnOnSSLOverSocket: Could not perform SSL handshake

必ず AMDNotificationFaceplant が先行し、その約3秒後に lockdown ポート(62078)が応答しなくなります。

Faceplant はAppleの内部的な命名で、端末側の異常終了を示す通知です。つまりPC側が切断したのではなく、iPhoneが先に倒れてる。これはもうわからん。

※ここでの「AMD」はAMD社(Ryzen・Radeon)とは無関係です。Apple Mobile Device の略で、iTunesがiPhoneと通信するためのAppleのフレームワーク名です(AMDeviceConnectkAMDMuxConnectError なども同じ系統)。私も一瞬CPU側を疑いましたが、綴りが同じだけの偶然。

ちなみにAMDチップセット環境でUSB機器が断続的に切れる、という別件の相性問題は実在します。
ただ今回それが原因でない根拠は2つあり、Windowsのイベントログに切断が一切記録されていないことと、ログの順序が「端末が先に倒れる → その3秒後に通信不能」で逆ではないことです。ホスト側が切ったなら、まずWindows側に記録が残ります。


端末から吸い出されたクラッシュレポート

iTunesは接続時に、端末側のクラッシュログを自動で吸い出します。同じLogsフォルダの CrashReporterMobileDevice 配下です。

そこに、こんなものが入ってました。

ファイル意味
forceReset-full-2026-08-02-220945.ips作業を始める前日の強制リセット記録
JetsamEvent-2026-08-03-141104.ipsメモリ逼迫によるプロセス強制終了
BackupAgent2.diskwrites_resource-*.ips × 4書き込み量超過の警告


前日の強制リセットは、今回の作業と無関係に発生してます。 端末側に何かを抱えてた可能性を示してます。

なお、iOS本体の再インストール自体は成功してましたrestore_perform.txtFINISHED-ENGINES:(SUCCESS) と記録されてます。
失敗するのは、そのあとのバックアップデータの流し込み工程だけでした。


途中で一度、犯人を誤認した

正直に書いておきます。切り分けの途中で、Windows側のドライバが3回クラッシュしてました。

重大  ユーザーモードドライバ AppleUsbFilter.dll でランタイム障害、ホストプロセス終了
重大  デバイス Apple iPhone がドライバクラッシュによりオフライン

しかも1回は、復元を開始する前、iPhoneを接続しただけの時点で発生してました。「これが原因だ」と判断してiTunesを再インストールしたところ、クラッシュは止まりました。

それでも復元は失敗しました。

このとき「ホスト側は無罪」と一度結論づけ、その後この記録を見つけて撤回し、再インストール後にまた失敗して、最終的に「ホスト側ではない」に戻りました。遠回りでしたが、これを潰さないと結論に確信が持てなかったので必要な回り道でした。


バックアップ自体は健全だった

「バックアップが壊れてるのでは」という疑いも潰しました。
Manifest.db と実ファイルをAIに全件照合させました。

PRAGMA integrity_check    ok
欠落ファイル               0件(Manifest.dbの63,936件すべてが実在)
孤立ファイル               0件
サイズ相違                688件

サイズ相違が688件ありましたが、全件がSQLiteデータベースファイルで、差分の679件が4096バイト(SQLiteのページサイズ)の正確な倍数でした。

これはバックアップ中のWALチェックポイントによる正常なずれらしい。
ランダムな破損なら、こんなにきれいにページ境界に揃わないとのこと。
写真もplistも1件も含まれてませんでした。


結論として言えること

言えること

  • PC本体、OS、iTunesの系統とバージョン、USBスタック、Appleドライバ、ケーブル、ポート、ディスク、空き容量、バックアップの整合性 — これらはすべて原因ではない
  • 10回すべてで端末側のFaceplantが失敗に先行してる
  • 失敗するタイミングが毎回バラバラ(4分 / 15分 / 19分 / 25分 / 26分)。これは地味に重要な手がかりで、特定の不良ブロックや特定のデータが原因なら毎回同じ場所で落ちるはずです。バラつくということは、熱・メモリ逼迫・タイミング依存の問題である可能性が高い

言えないこと

  • iPhone本体のハードウェア故障なのか、iOS 26.6とiTunes復元経路のApple側の不具合なのかは、個人では切り分けられませんでした

「新しいiPhoneとして設定はできたんだから、ハードは無事なのでは?」と思うかもしれません。私もそう思いました。ただ調べてみると、そうとも言い切れないようです。

復元は、端末にとって通常使用とは負荷の桁が違う処理だからです。

新しいiPhoneとして設定バックアップから復元
書き込み量数GB100GB超
所要時間数分数十分〜数時間
メモリ使用軽い重い(展開・DB再構築)
発熱ほぼなし持続的に高負荷


PCでも「普段は動くのに、高負荷が続くと落ちる」はメモリ不良やストレージ劣化の典型的な壊れ方です。同じことがiPhoneにも起こりえます。実際、ログに残っていた JetsamEvent(メモリ逼迫によるプロセス強制終了)は、その方向を示唆する材料でもあります。

つまり「新規設定できた=ハードは正常」とは断定できない、というのが正直なところです。
だからこそ切り分けられなかった、という話でもあります。

最終的に「新しいiPhoneとして設定」を選び、データはバックアップから直接抽出しました。悔しいが、ここが引き際でした。。


同じエラーで困ってる人へ

1. まず2〜3回は復元を試して、ログを見てください

1回の失敗では、たまたまなのか再現性があるのか分かりません。2〜3回試して毎回同じ挙動になるかを確認したうえで、ログを開くのが先です。

2. ログの分岐で、やることが変わります

AMDNotificationFaceplant が毎回出ているなら——私と同じパターンです。
端末側で何かが起きているので、PC側をいくらいじっても変わらないかと。
上の表にある対策(ケーブル交換・iTunes再インストール・ポート変更など)は私が全部試して全部失敗したので、時間を使う価値は低いかもです。

出ていないなら——あなたの原因は私とは別です。ケーブルやUSBポート、iTunesの再インストールで直る可能性が十分あります。上の表を順に試す価値があります。
実際、単純なケーブル不良で失敗しているケースもあるので、私の結果だけを見て諦めないでください。

3. Appleサポートに持ち込む材料になります

「復元できません」だけだと「初期化してください」で終わりがちですが、ログのイベント名と、潰した変数の一覧を持っていけば話が早いです。特に forceResetJetsamEvent が端末側に記録されてるなら、それは操作ミスでは説明できません。

保証期間にも注意してください。
標準保証は購入から1年、AppleCare+は加入プランによって期間が変わります(自動更新型もあります)。診断を受けるなら、まず自分の保証状況を確認してから動いたほうがいいです。

4. データは諦めないでください

これが一番伝えたいことです。 復元が通らないことと、データが失われることは別です。
バックアップファイルの中身は無傷で残ってます

私はメモ334件、写真18,693点、ボイスメモ21本、連絡先198件、そして入ってたアプリ210件の一覧を、すべて取り出しました。方法は記事①に書いてます。

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