IRENの今後の予定と進捗まとめ|次の決算日・ARR40億ドルの答え合わせはいつ?
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IRENの今後の予定と進捗まとめ|次の決算日・ARR40億ドルの答え合わせはいつ?

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結論から。
IRENの次の決算(FY27 Q1、2026年7〜9月)は、11月上旬と予想! 正式な日時は未発表です。

FY27 Q1の10-Q(四半期報告書)の通常の提出期限は11月9日で、直近の発表実績も踏まえて、候補日は現地時間で11月5日(木)ごろと見てます。
仮に11月5日の米東部時間17時に説明会が開かれる場合、日本時間では11月6日(金)の朝7時となります。

そして本命は2026年12月31日の目標です。
会社が掲げている「ARR(年換算の売上ペース)40億ドル」の稼働目標日がこの日です。あわせて、マイクロソフト向けHorizon 2〜4の段階的な引き渡し(10〜12月)と、ビットコインマイニングからAIへの転換(12月末までに概ね完了)も、年末に向けて進みます。
ただし年末は会社目標の期限で、12月31日当日に発表があるとは限りません。達成状況は、随時の公式発表と、2027年2月上旬と予想するFY27 Q2決算で確認していきます。

このページは、IREN(NASDAQ: IREN)を保有している私が自分用の進捗メモとして作ったものです。
会社が「いつまでに何をやる」と言っているかを一次情報(SEC提出書類・決算説明会)から拾い、マイルストーンを迎えるたびに結果を追記していきます。同じくIRENを持っている方の日程確認に使ってもらえたらうれしいです。

※日程・会社計画の確認基準日:2026年10月8日(日本時間)。関連報道の最終追記:2026年10月10日(日本時間)。追記のたびに末尾の「追記履歴」に記録します。

IRENの株価チャート(TradingView)

※チャートはTradingViewの埋め込みウィジェットによる参考値です。売買の際は必ず最新値をご確認ください。

これからの重要日程カレンダー

まずは日付順に一覧で。
会社目標は会社が開示している目標時期、予定は当局などが示している予定日、予想は前年の実績や法律上の期限から私が推定したもの、要確認は日程が変わる見込みで今の時点では決まっていないものです。行の背景色も同じ色で分けてます。予想の日付は、会社から正式発表があり次第書き換えます。

時期イベント確度確認したいこと
10〜12月Horizon 2〜4を段階的にマイクロソフトへ引き渡し会社目標契約上の猶予期限は棟ごとに異なり、10〜12月期の中ごろ〜2027年4〜6月期の初め(棟ごとの期限は非開示)
10月22日ごろFY27 Q1決算の日程告知予想決算日が確定する(直近4回はすべて決算のちょうど2週間前に告知)
10〜11月株主総会の招集書類(委任状説明書)予想議案、共同CEOへの株式報酬の会計上の金額
11月5日ごろ
(SEC提出期限11月9日)
FY27 Q1決算(2026年7〜9月)予想Horizon 1の売上の初乗り、稼働ARRの最新値、株数
11月24日
(米東部16時30分、オンライン)
年次株主総会予定議案の可決・否決(結果は総会後の8-K)。日本時間は11月25日(水)朝6時30分
12月10日テキサス州ERCOTの監査・検証報告の提出(17日に公開会合)予定Sweetwaterへの影響と、その後の接続手続き
12月31日ARR40億ドルの稼働目標日(マイニングからの転換も年末までに概ね完了の目標)会社目標この日に発表があるとは限らない。結果は会社発表か次の決算で確認
2027年初めNVIDIA契約(5年・34億ドル)の立ち上がり開始会社目標マイクロソフト以外の大型契約が動き出すか
2027年2月4日ごろ
(SEC提出期限2月9日)
FY27 Q2決算(10〜12月)予想年末目標の確認機会(12月31日時点の稼働ARRが開示されれば)
時期未確定
(当初は2027年4月9日)
ERCOT「Batch Zero」の接続検討結果要確認ERCOTは当初期限に間に合わない見込みを示し、新しい日程は後日決めるとしている
2027年5月6日ごろ
(SEC提出期限5月10日)
FY27 Q3決算(1〜3月)予想年末に動き出した容量の売上が主に乗る四半期。AIクラウド売上・稼働ARR・利益率の伸び
2027年後半Childress・Sweetwater 1の液冷新設の引き渡し会社目標2027年の拡張計画の進み具合
2027年8月下旬
(SEC提出期限8月30日)
FY27通期決算(2026年7月〜2027年6月)予想設備投資250〜300億ドルの消化と資金調達
2028年Sweetwater 2・Kiowa・Bundey・Badajozの稼働会社目標米国外(豪州・スペイン)への展開
出典:IREN Form 10-K(2026年6月期)、FY26決算プレスリリース、FY26決算説明会の書き起こし、ERCOT監査の日程(Pexapark)、Octus(2026年8月21日)をもとに筆者作成。決算日の「予想」は筆者の推定

決算日の「予想」はどうやって出したか

根拠は2つあります。

1つ目は法律上の提出期限。
IRENは米SECの区分で「大規模早期提出会社(Large accelerated filer)」です(10-Kの表紙で確認できます)。この区分の会社は、四半期報告書(10-Q)を四半期末から40日以内(FY27 Q1なら9月30日から40日以内)、年次報告書(10-K)を期末(IRENは6月30日)から60日以内に出す決まりです(SEC投資家向け用語集「Form 10-Q」)。
9月30日+40日=11月9日、なのでFY27 Q1の10-Qの通常の提出期限は11月9日です。直近4回は、決算発表と同じ日か翌日に10-Q/10-Kを出しているので、決算発表もこの期限より前になると見てます。ただし提出期限の延長制度(Rule 12b-25)もあるので、保証ではありません。
※今の提出区分が続き、提出期限の延長を使わない前提。期限日が土日祝なら翌営業日になるので、FY27通期の10-Kは60日目の8月29日(日)ではなく8月30日(月)が期限です。

2つ目は過去の発表日のクセ。
直近4回はすべて木曜日の発表で、4回とも米国市場の引け後、米東部時間17時からの説明会でした。日程の告知も、4回とも決算のちょうど2週間前に出てます(各回の日程告知で確認)。

過去の決算過去の発表日(米国)
FY26 Q1(7〜9月)2025年11月6日(木)※10月23日に告知
FY26 Q2(10〜12月)2026年2月5日(木)※1月22日に告知
FY26 Q3(1〜3月)2026年5月7日(木)※4月23日に告知
FY26通期2026年8月27日(木)※8月13日に告知
出典:SEC EDGARのIREN提出書類一覧(8-K)、各回の日程告知(Q1・Q2・Q3・通期)。いずれも説明会は木曜の米東部時間17時


このクセと期限を重ねると、FY27(2026年7月〜2027年6月期)のQ1は2026年11月5日(木)、Q2は2027年2月4日(木)、Q3は2027年5月6日(木)あたりが有力、というのが私の見立てです。あくまで推定なので、告知が出たら差し替えます。

日本から見るときの注意点がひとつ。
米国は11月1日に夏時間が終わるので、米東部17時は、夏時間中なら日本時間の翌朝6時、冬時間(11月〜3月)なら翌朝7時になります。11月のQ1決算と2月のQ2決算は「翌朝7時」の方ですね。

株主総会は11月24日の予定

IRENはNASDAQ上場ですが、会社の登記はオーストラリアです(10-Kの表紙の「State or other jurisdiction of incorporation」がAustralia)。
オーストラリアの会社法では、公開会社は決算期末から5か月以内に年次株主総会を開く必要があります(Corporations Act 2001 第250N条)。
6月期決算なので期限は11月30日。前年(2025年)は11月19日に開催されてます。
今年の日程は、10-Kの「その他の情報(Other Information)」の項目に2026年11月24日(米東部時間16時30分)にオンラインで開く予定と書かれてます。日本時間では11月25日(水)の朝6時30分です。

前年は9月22日に招集書類の案(PRE 14A)、10月6日に確定版(DEF 14A)がSECに出てました。今年は10月8日時点でまだ出てません(SEC EDGARの提出書類一覧で確認。2026年の14A系は7月の株主宛て書簡=DEFA14Aだけ)。
今年の総会で注目なのは、7月に共同CEO(ロバーツ兄弟)へ付与された株式報酬です。

中身を先に整理しておくと(2026年7月1日の8-Kと独立取締役会長の株主宛て書簡(2026年7月8日))、

  • 2人に9,099,328株ずつ、合計約1,820万株分のRSU(譲渡制限付き株式ユニット=条件を満たすと株がもらえる権利)。8月14日の発行済株式数の約4.6%にあたります
  • 付与は7月1日。4年かけて毎年4分の1ずつ確定し、確定後さらに2年は売れない。最後の分が売れるのはFY2033。FY2031(2030年7月〜)に入るまでは、追加の株式報酬の付与なし
  • 株価の目標などの業績条件は付いてない(在籍していれば確定する「時間型」)
  • 2025年の付与分と合わせると、1人あたり会社の約3%分(書簡)

金額の目安は、付与前日(6月30日)の終値45.73ドルで計算すると約8.3億ドル(約1,820万株×45.73ドル。筆者の計算)。ただし会社は「売れない期間があるぶん割り引いて会計上の金額を決め、委任状説明書で示す」としてます。なので招集書類が出たら、私は次の4つを確認します。

  • 会計上の金額と、毎年いくら費用になるか:株式報酬は4年かけて費用に乗るので、GAAPの純損益が毎年どれだけ押し下げられるか(調整後EBITDAからは株式報酬が除かれるので、こちらには出ません)。なお、毎年4分の1ずつ権利が確定しても、報酬費用が毎年同額になるとは限りません。IRENは確定する区分ごとに費用を認識する方式をとっていて(10-Kの会計方針)、この方式だと費用は前の年ほど大きくなるのが一般的です
  • 希薄化:約1,820万株が4年で毎年約455万株ずつ確定していく。株数トラッカーの「将来増えうる株」の一つです
  • 同規模の会社と比べてどうか:書簡では、報酬コンサルタント(FW Cook)と比べた分析の詳細を委任状説明書で示すとしてます
  • 役員報酬への賛否(say-on-pay)の結果:総会では報酬について株主が賛否を示す投票があります。ただし結果に拘束力のない勧告的な投票なので、否決されても付与が取り消されるわけではありません。賛成率がどれくらいかは、総会後の8-Kで確認します

IRENの計画の全体像

日程の意味が分かるように、会社が掲げている計画をざっくり整理しておきます。

IRENは、ビットコインのマイニング(採掘)会社から、AI向けのGPUクラウド会社へ乗り換えている途中です。
自社で土地と電力を持ち、データセンターを建て、GPUを買って、その計算能力をマイクロソフトやNVIDIAなどに時間貸しする。この「全部自前」のやり方は垂直統合型と呼ばれてます。

容量の目標:2026年0.3GW → 2027年0.8GW

FY26決算の資料では、AIクラウドとして引き渡す容量の累計目標がこう書かれてます。

  • 2026年末まで:約0.3GW(IT)
  • 2027年末まで:約0.8GW(IT)(2027年に約0.5GW上乗せ)

ここでややこしいのが、同じ計画が別の資料では「2026年480MW、2027年1.2GW」と書かれていること(7月20日の発表など)。
これは容量を測る範囲が違うだけです(MW・GWという単位は同じ)。「IT」はGPUなど計算機器そのものに使える電力、「gross(グロス)」は冷却や変電の分まで含めた受電容量。
冷却などに電力を取られるので、gross(480MW)の方がIT(約300MW)より大きくなります。
ニュースで数字が食い違って見えたら、まず容量の測定範囲(grossかITか)を確認してください。

拠点ごとの予定

拠点計画容量(gross)予定
Childress(米テキサス)750MWHorizon 1〜4(各50MW・IT)を2026年中にマイクロソフトへ。液冷の新設は2027年後半(Horizon 5〜6の土木工事が始まっている)
Mackenzie(カナダBC州)80MW空冷拡張用のGPU機器を、IREN側が2026年12月31日まで段階的に受け取る見込み(10-K)。2027年に液冷を追加
Prince George(カナダBC州)50MW空冷は稼働済み、液冷を設置中。2027年に液冷を追加
Canal Flats(カナダBC州)30MW全面をGB300向けの液冷に転換。2027年
Sweetwater 1(米テキサス)1,400MW最初の300MW(gross)分を2027年10〜12月に引き渡す目標
Sweetwater 2(米テキサス)600MW2028年
Kiowa(米オクラホマ)1,600MW2028年
Bundey(豪州・南オーストラリア)800MW2028年
Badajoz(スペイン)300MW2028年
出典:計画容量はIREN Form 10-K(2026年6月期)。予定は同10-K、FY26決算プレスリリース、決算説明会での経営陣の発言、2026年9月8日の会社発表をもとに筆者作成


2028年に向けては、Sweetwater 2・Kiowa・Bundey・Badajozの開発を進めてます。表の計画容量は、その年に稼働する容量を意味しません。段階ごとの引き渡し容量と時期は、今後の会社開示で確認します。

進捗チェックリスト(2026年10月8日時点)

ここがこのページの本丸です。
会社が時期を示している目標・計画を並べ、結果が出たら「現状」の欄を書き換えていきます。✅は達成、⏳は進行中、⚠️は遅れや懸念が出たもの。
目標日を過ぎただけでは✅にしません。会社の発表か決算資料で確認できたものだけ✅にして、確認できるまでは⏳のまま残し、目標時期を過ぎても発表がなければ「⌛ 期限経過・達成確認待ち」と書きます。「現状」欄の状態はカッコ内の日付時点のものです。
★と黄色の行は、私がいちばん重く見ている項目です(理由は表の下で説明します)。

2026年末までの会社目標

項目会社の目標現状いつ分かる
Horizon 1(マイクロソフト向け)2026年中✅ 引き渡し・受け入れ完了(8月13日に会社が発表)2026年8月13日の会社発表で判明(済み)
★ Horizon 22026年10〜12月⏳ 試運転中(8月27日時点)随時の会社発表/Q2決算
★ Horizon 3・42026年10〜12月⏳ 建設の最終段階(8月27日時点)随時の会社発表/Q2決算
稼働ARR12月31日に40億ドル超⏳ 約10億ドル(8月26日時点)Q1決算で9月末の値、年末の値は随時の会社発表/Q2決算(開示されれば)
Mackenzieの空冷拡張IREN側がGPU機器を12月31日まで段階的に受け取る見込み(24億ドルの融資の実行期間も12月31日まで。顧客の受け入れ期限を示す記載ではない)⏳ 最初の2棟でGPUのラック搭載の段階(8月27日の説明会。書き起こしによって「搭載中」「搭載済み」と表現が分かれる)随時の会社発表/Q2決算
マイニングからAIへの転換12月31日までに概ね完了(CFOは「12月末までに実質停止」の見込みと説明)⏳ 停止作業中(Q4のマイニング売上は前四半期比-40%)随時の会社発表/Q2決算
Sweetwaterの電力接続(ERCOT)-⏳ 9月8日に「条件付きベースロード」入り12月10日の監査報告
出典:Horizon 1引き渡しの発表(2026年8月13日)、FY26決算プレスリリース、決算説明会、Form 10-Kをもとに筆者作成

2027年以降の会社目標・計画

項目会社の目標現状いつ分かる
2027年分の容量の契約時期は示さず⏳ 複数の新規顧客と最終交渉中「契約したら発表する」(経営陣)
NVIDIA契約(5年・34億ドル、年平均の売上見込み約7億ドル)2027年初めから立ち上げ⏳ 契約済み(2026年5月)。Childressの既存設備60MW内に空冷のBlackwell GPUを設置2027年の各決算
Childress・Sweetwater 1の液冷新設2027年後半⏳ Childress(テキサス)のHorizon 5〜6は土木工事中、Sweetwater 1は1棟目を建設中(8月27日の説明会)2027年の各決算
全社のAIクラウド容量の累計引き渡し:約0.8GW(IT)※2027年末(2026年末の約0.3GWに、2027年中に約0.5GWを上乗せ)⏳ まず2026年末の約0.3GWが前提FY27通期決算〜2028年2月
2028年組4拠点(Sweetwater 2・Kiowa・Bundey・Badajoz)2028年⏳ 開発中2027年以降
出典:Form 10-K、決算説明会、ロイター配信記事(2026年9月16日)をもとに筆者作成。※IT=GPUなど計算機器そのものに使える電力ベースの容量。冷却なども含めた受電容量(gross)で数えると、2027年は約1.2GW

参考:会社計画ではない関連報道

豪州でのAnthropicのデータセンター調達について、7月にIRENが候補の1社と報じられてました。9月16日には、Anthropicの豪州1件目の契約は別会社(Zerra DC、クイーンズランド州)と報じられてます(ロイター配信)。
IREN自身はこの件に言及してないので、会社目標のチェックリストには入れてません。他社の契約からIRENの案件の有無も推定しません。

2026年10月7〜8日:株価の下落と、SemiAnalysisの指摘
IRENの株価は10月6日の41.28ドルから、7日38.69ドル(前日比-6.3%)、8日35.71ドル(同-7.7%)へ、2営業日で約13.5%下げました(米国市場の終値。Yahoo Financeの日足データ)。

10月7日(米国時間)には、半導体・データセンター分野の調査会社SemiAnalysisが、X上で3本続きの投稿(スレッド)でIRENを批判しました。1本目がこちらです。

1本目の要点を訳すと、次のとおりです(筆者訳)。

  • IRENは、AI向けGPUクラウド(ネオクラウド)の顧客との会話でよく話題に上がり、たいていは悪い理由でだ
  • カナダBC州北部のPrince GeorgeとMackenzieについて、数日にわたる停電、ネットワークの増強、ストレージの障害、空調(空気の質の管理)が原因の接続の瞬断、GPUのエラーの多発、といった話を聞いている
  • 利用者によれば「業界で最悪の拠点」
  • 自分たちも、IRENの容量を転売する複数の業者経由でIRENのGPUを試した。不満を言っている利用者の多くは、転売業者ではなくIRENから直接借りている

続く2本目ではテキサスの新拠点を評価し、3本目ではマネージドサービスに関する開示を批判してます。要点は次のとおりです(筆者訳)。

  • 2本目:テキサスのChildressとSweetwaterの新しい拠点は「ずっと良く見える」(電源・冷却・回線が予備のない「N+0」の構成ではない、という意味)。クラウドサービスに技術的な欠点はあっても、NVIDIAからの21億ドルの投資で、今回は手を抜くところが減るだろう
    ※筆者注:会社の発表では、NVIDIAは最大3,000万株・約21億ドル分の株を買える権利を持っている、という形です(2026年5月)
  • 3本目:最新の10-Kで、マネージドクラウドサービスを含むすべての層を「所有・運営している」と書くなど、投資家向けの資料でマネージドクラスターを提供していると偽るのはやめるべき。CCO(営業責任者)も最近「今日の時点で稼働中のマネージドサービスはない」と言っていた。需要が十分にあるベアメタル(GPUサーバーをそのまま貸す形)に集中すべき

なお、9月23日付のSemiAnalysisのGPUクラウド評価レポート「ClusterMAX 3.0」でも、IRENは「Not Recommended – Underperforming(推奨しない・水準以下)」の区分に入っていて、カナダの2拠点についてほぼ同じ文章が載ってます。今回のX投稿が、この指摘の初出ではありません。

対象の2拠点は、ビットコインのマイニング施設をGPU向けに転換したカナダの拠点で、新しく建てたChildressのHorizonとは別です。SemiAnalysis自身も、テキサスの新しい拠点とは分けて書いてます。
私は、指摘されたトラブルの事実関係までは確認できていません。SemiAnalysisの指摘は、利用者から聞いた話と自社でのテストに基づくものです(1本目より)。確認したIRENのニュース一覧とSECの提出書類(2026年10月10日時点)では、この件への会社の説明は見つかりませんでした。

翌10月8日には、OpenAIのARR(年換算の売上ペース)が約500億ドルで、従来報じられていた約700億ドルを下回るとフィナンシャル・タイムズが報じ、AI関連株が全体に売られました(CNN)。ただ、この差は売上の集計方法(総額で数えるか純額で数えるか)の違いによると説明されていて、売上が200億ドル減ったという意味ではありません(SiliconANGLE)。
この日は同業のCoreWeaveが-7.8%、Nebiusが-7.4%で、IRENの-7.7%とほぼ同じ幅でした。一方、7日はIRENの下げ(-6.3%)が同業(CoreWeave -3.6%、Nebius -5.1%)より大きかったので、SemiAnalysisの件も重しになっている可能性があると私は見てます。株価の動きからの推測で、確かめたものではありません。

Mackenzieは、上のチェックリストにある「Mackenzieの空冷拡張(IREN側がGPU機器を12月31日まで段階的に受け取る見込み)」の拠点です。指摘された問題が実際にあったのか、あった場合に影響がどこまで広がっているのかを、次の4つで確認します。

  • IRENがこの件に反論・説明するか
  • FY27 Q1決算(11月上旬予想)の説明会で、Prince GeorgeとMackenzieの稼働状況や顧客の継続について何を言うか
  • Mackenzieの空冷拡張のGPU機器を、IRENが12月31日までに予定どおり受け取れるか(この期限は顧客の受け入れ期限を示すものではないので、顧客側の受け入れは会社の説明を待つ)
  • 10-Qで「マネージドクラウドサービス」の書き方や、リスク要因の記載が変わるか

いちばん大事な日付:マイクロソフト契約の猶予期間

チェックリストの中で、私がいちばん重く見ているのがHorizon 2〜4の引き渡しです。
マイクロソフトとの契約(5年・総額約97億ドル)は、Horizon 1〜4の4棟で構成されていて、4棟とも月々の支払いはほぼ同額とされてます。つまり1棟遅れるだけで、この契約の売上の4分の1が後ろにずれます。

10-Kにはこの遅れの余裕についての記述があります。

Horizon 2〜4は2026年10〜12月に段階的に引き渡す目標で、マイクロソフト契約上の引き渡しの猶予期間は、2026年10〜12月期の中ごろから2027年4〜6月期の初めにかけて設定されている。

IREN Form 10-K(2026年6月期)リスク要因より(筆者訳)

読み方としては、猶予の期限は棟ごとに違い、早いものは2026年10〜12月期の中ごろ、遅いものでも2027年4〜6月期の初めまで、ということだと思います。
どの棟がいつまでかは開示されてないので、「2027年4〜6月期の初めまでは全部大丈夫」とは読めません。
10-Kのリスク要因には、引き渡しが遅れた場合に遅延分の値引き(ディレイ・クレジット)や損害の支払いが発生しうること、条件によっては顧客が契約容量を減らしたり解約したりできることも書かれてます。
同じ10-Kには、Horizon 1でも機器の納入遅れがあったと書かれてます。Horizon 1は結局8月に受け入れまで進みましたが、2〜4で同じことが起きない保証はありません。

なお、契約額の20%は各棟の引き渡し前に前払いされる仕組みです(同10-K)。前払い金は受け取り済みでも、売上として計上されるのはサービスが始まってから、という点も覚えておくと決算が読みやすくなります。

ERCOTの監査:12月10日に報告

ERCOT(テキサス州の送電網を運営する機関)は、大口の電力需要をまとめて審査する「Batch Zero」という新しい手続きを進めてます。IRENのSweetwater(合計2GW)は9月8日に、この中で「ベースロード」(すでに審査が十分進んだ需要)として条件付きで組み入れられました。

ところが8月にテキサス州知事が、Batch Zeroに入っている全データセンターの監査を命じてます。
ERCOTは10〜11月に情報を集め、12月10日に監査・検証の報告を州の公益事業委員会(PUCT)へ提出する予定です(ERCOT「Batch Zero Update」(2026年9月))。報告書は対象案件の適格性と地域への影響の2本で、12月17日に公開会合が開かれる予定と報じられてます(Octus(2026年8月21日))。
この日にSweetwaterの接続承認や稼働日が決まるわけではありません。
また、Batch Zero本体の接続検討結果は当初2027年4月9日が期限でしたが、ERCOTは監査の影響で「おそらく間に合わない、新しい日程は後で決める」としてます(ERCOT「Batch Zero Update」(2026年9月)、Octus)。なので日程表では「時期未確定」にしてます。

IRENの10-Kでも「Batch Zeroの手続き変更で、テキサスの新規・既存案件の通電が遅れたり、通電量が変わったりする可能性がある」と書かれてます。Sweetwater 1の最初の300MW(gross)は2027年10〜12月の引き渡し目標なので、12月10日の報告は2027年の計画に効いてくる日付です。

決算ごとに確認すること

ARRと売上の関係を先に整理しておきます。
詳しくはFY26決算の記事に書きましたが、ARRは「今の契約単価で1年365日フル稼働したら年いくらか」という会社独自の指標です。決算書の売上とは別物で、会社自身も「実際の売上は大幅に下回る可能性がある」と注記してます。

しかもCFOは決算説明会で「12月期の容量の多くは四半期の終盤に動き出すので、売上への影響は主に3月期(2027年1〜3月)に出る」と説明してます。
つまり12月末にARR40億ドルを達成しても、その売上が主に表れるのは5月のQ3決算から。
しかもARRは年換算の指標なので、「40億ドル÷4=四半期の売上10億ドル」になるわけでもありません。この2つを頭に入れて、各決算で見るポイントを決めておきます。

FY27 Q1決算(11月上旬)で見ること

  • AIクラウド売上:前四半期は7050万ドル。Horizon 1が乗ったのは8月半ば以降なので、Q1に入っているのは1か月半ほど。
  • 稼働ARR:CFOは「約10億ドルのARRが9月末まで続く」見通しを示してました。9月末の稼働ARRがこの見通しに沿っていたかを確認します。決算発表時点の最新ARRが別に示された場合は、その基準日と、10月以降の立ち上がりも確認します。
  • Horizon 2〜4の進み具合:「試運転中」「建設の最終段階」からどこまで進んだか。
  • マイニング売上:前四半期6670万ドル。停止に向けてさらに減っているはず。
  • 販管費(SG&A):本社・営業・開発などの運営にかかる費用(人件費、オフィス、専門家への報酬など)です。「現金ベース」は、株式報酬のように現金が出ていかない費用を除いた額だと私は理解してます。CFOは「Q1の現金ベースの販管費は前四半期比で4000万〜5000万ドル増える」と予告していて、理由は営業・研究開発・拠点開発・クラウド運用などへの成長投資。FY26は社員数がほぼ3倍になり(Mirantis・Nostrumの買収分を含む)、FY27も同じくらい増やす計画と説明してます。予告の範囲に収まったかを見ます。
  • 発行済株式数:10-Qの表紙に載る。株数の増え方が、稼働ARRや売上の増え方より速くないかを見ます(見方は下の「株数トラッカー」で説明)。

Q1は「谷間の続き」になる可能性が高いと私は見てます。マイニングは減り、AIクラウドはまだ一部しか乗らず、人件費などは先に増えるので。
なので売上や利益の数字そのものより、稼働ARRとHorizon 2〜4の進み具合を優先して見るつもりです。

FY27 Q2決算(2027年2月上旬)で見ること

  • 12月31日時点の稼働ARRが40億ドルに届いたか(その時点の数字が開示されれば。それ以前の会社発表で分かる可能性もあり)
  • Horizon 2〜4が引き渡し・受け入れまで終わったか(未了なら猶予期間内に収まりそうか)
  • マイニングが停止したか
  • 2027年分の容量の契約がどこまで決まったか

FY27 Q3決算(2027年5月上旬)で見ること

  • AIクラウド売上:年末に動き出した容量の売上が主に乗る四半期(CFOの説明)。AIクラウド売上が前四半期からどれだけ増えたか。稼働ARRとあわせて、設備の立ち上がりが実際の売上につながっているかを確認します。会社自身も「売上はARRを大幅に下回る可能性がある」と注記してます。
    下回りうる理由は、会社の注記から読むと3つです。①ARRは「その時点の契約単価×1年365日フル稼働(8,760時間)」の年換算で、実際の売上は引き渡し後の試運転・テスト・顧客の受け入れが済んでから立ち上がる。②年末の40億ドルという目標は、稼働率と価格についての社内の前提に基づく。③会計上の売上の計上ルールの影響がARRには入っていない。
  • 調整後EBITDA:FY26のQ4で1920万ドルまで落ちた稼ぐ力が、どこまで戻ったか
  • NVIDIA契約の立ち上がり(2027年初めから立ち上げの目標)

株数トラッカー(希薄化のチェック)

IRENは設備投資の資金を、借入・顧客の前払い・転換社債に加えて、市場での新株売り出し(ATM)でも集めてます。株数が増えると1株あたりの価値が薄まるので(希薄化)、決算ごとに発行済株式数を記録していきます。

時点発行済株式数出典
2025年6月30日2億5810万株FY26 10-K(Note 24)
2026年6月30日3億8071万株※FY26 10-K(Note 24)
2026年8月14日3億9406万株FY26 10-Kの表紙
(Q1 10-Qの表紙)11月に追記-
出典:IREN Form 10-K(2026年6月期)。※6月30日はNote 24の「loan-funded shares(会社の貸付で役職員が取得した株)を含む」発行済株式数。貸借対照表の普通株式数は3億8019万株で定義が違うので、この表はNote 24・10-K表紙の数字で比べてます


1年で約47%増、さらに期末(2026年6月30日)から8月14日までの約1か月半で約1335万株増えてます。10-Kによると、新しい売り出し枠だけで8月14日までに約4717万株・約25億ドル分を売ってます。

株数はどういう視点で見るか

株数が増えると、会社全体の売上や利益が伸びても、1株あたりの取り分は薄まります(希薄化)。
実際FY26は、売上が+41%だったのに加重平均の株式数が+47%増えたので、1株あたりの売上は-4.2%でした(FY26決算の記事で計算)。なので私は次の3つを見てます。

  • 増えるペース:四半期ごとに何株増えたか。稼働ARRや売上の伸びより速くないか
  • 調達の中身:GPU融資や顧客の前払いをどこまで活用できているか。追加の株式発行にどれだけ依存しているか
  • 将来増えうる株:転換社債の株への転換、役員・社員への株式報酬(7月の共同CEOへの付与を含む)、NVIDIAが持つ最大3000万株の購入権(行使価格70ドル、2026年5月の発表)

FY27の設備投資250〜300億ドルとは

経営陣はFY27(2026年7月〜2027年6月)の設備投資を250〜300億ドルと見込んでます。CFOの説明では、中身は次の4つです(決算説明会)。

  • 2026年に動かす分(ARR40億ドル目標を支える、マイクロソフト向けを含む)の設備投資
  • 2027年中に動かす空冷の残りの、データセンターとGPU
  • 2027年後半に引き渡す予定のChildress・Sweetwater 1の液冷データセンターの大部分(その中に入れるGPUは翌年度の計画)
  • 2028年以降に向けた初期投資

規模のイメージをいくつかの物差しで置いてみます。

  • 前年の6〜7倍:FY26の実績(設備と、GPUなどコンピュータ機器への支払いの合計)は約43億ドル(設備への支払い約29.98億ドル+コンピュータ機器約13.35億ドル。FY26 10-Kのキャッシュフロー計算書)
  • 時価総額の1.5〜1.8倍:8月14日の発行済株式数3億9406万株×10月6日の終値41.28ドル=約163億ドルで計算
  • 円に直すと約3.75兆〜4.5兆円(1ドル=150円で計算)

資金は、手元の現金とすでに決まっているGPU融資・前払いで約140億ドル、さらにGPU融資と前払いで約80億ドルを積む目標。残りはデータセンター向けの融資、本業で稼ぐ現金、会社全体での調達でまかなう、という説明です。
この「残り」を株で集めれば希薄化につながるので、株での調達をどこまで抑えられるかは、株主にとって売上と同じくらい大事な数字だと思ってます。

個人投資家としての視点・考察

※ここからは私個人の考えで、事実の説明ではありません。

このページを作った理由はシンプルで、IRENはニュースが多すぎて、何がいつまでの目標だったのか 分からなくなるからです(笑)
契約、融資、買収、格上げ…と毎週のように何か出てきますが、株価が最終的に答え合わせをするのは「目標にした容量を、目標の時期に動かせたか」だと考えてます。

その意味で、2026年10〜12月はIRENにとってかなり重い3か月です。
Horizon 2〜4の3棟、Mackenzieの拡張、マイニングからの転換が全部10〜12月に集中していて、どれかが遅れた場合は、随時の発表や2月のFY27 Q2決算で進捗を確認します。
年末に立ち上がる設備の売上寄与は、5月発表見込みのFY27 Q3決算も含めて追います。逆に言うと、ここを予定どおり越えられたら「AIクラウド会社としての実績」を決算の数字で確かめられる段階に入ることになります。

私は基本的に保有を続けるつもりですが、見るのは発表の派手さではなく、このチェックリストの✅がどこまで増えるか。
マイルストーンごとに結果を追記していくので、同じくIRENを持っている方は、決算前の確認用にでもブックマークしておいてください。

よくある質問

IRENの次の決算はいつ?日本時間だと何時?

第1四半期(2026年7〜9月)の決算で、日付は10月8日時点で未発表です。10-Qの通常の提出期限は11月9日なので、その前の発表になると予想してます(延長制度もあるので保証ではありません)。
過去4回はすべて木曜日の発表で、直近の説明会は米東部時間17時開始だったので、もし11月5日(木)の17時なら日本時間は11月6日(金)の朝7時です(11月は米国が冬時間のため)。

ARR40億ドルを達成したかは、いつ分かる?

稼働目標日は2026年12月31日ですが、この日に発表があるとは限りません。
決算で確認できる機会としては、2027年2月上旬(予想)のFY27 Q2決算が重要です(12月31日時点の稼働ARRがそこで開示されるとは限りません)。ただしそれ以前でも、Horizon 2〜4の引き渡しのような節目は、Horizon 1のとき(8月13日)と同じく個別に発表される可能性があります。

Horizon 2〜4が12月に間に合わなかったらどうなる?

10-Kによると、マイクロソフト契約には引き渡しの猶予期間があり、その期限は2026年10〜12月期の中ごろから2027年4〜6月期の初めにかけて設定されてます(棟ごとの期限は非開示)。
遅れた場合の扱いは各棟の猶予期間と適用条件しだいで、公開情報だけでは個別の契約違反の有無は判断できません。
遅れればその分、ARRと売上の立ち上がりは後ろにずれます。10-Kのリスク要因では、遅延時のディレイ・クレジットや、条件によっては顧客が容量を減らしたり解約したりできる可能性にも触れてます。

ビットコインのマイニングはいつ終わる?

10-Kでは「2026年12月31日までにAIクラウドへの転換を概ね完了する」方針、決算説明会でCFOは「12月末までに実質的に停止する見込み」と説明してます。マイニング設備の減損はFY26にすでに計上済みです。

追記履歴

  • 2026年10月8日:作成(FY26 10-K・FY26決算・9月8日のERCOT発表までを反映)
  • 2026年10月9日:共同CEOの株式報酬と株主総会の確認項目を追記
  • 2026年10月10日:関連報道に、10月7〜8日の株価下落(SemiAnalysisの指摘とOpenAIの売上報道)を追記
  • 2026年10月10日:株主総会の日程(11月24日、10-Kに記載)を反映。Mackenzieの「12月31日まで」は、IREN側のGPU機器の受け取りと融資の実行期間のことだと明確化(顧客の受け入れと読める表現を修正)
  • 2026年10月10日:SemiAnalysisの元の投稿を埋め込み、1〜3本目の要点(筆者訳)と、9月23日のClusterMAX 3.0での区分を追記

参考にした一次情報・関連資料

関連書籍

計画と実績のズレをどう評価するか、という点では、投資の基本的な考え方を整理できる「ビジネスエリートになるための教養としての投資」が参考になります。
IRENの計画はGPUの調達が前提なので、その供給網の背景を押さえるなら「半導体戦争 世界最重要テクノロジーをめぐる国家間の攻防」も。

※本記事は情報提供を目的としたものであり、投資勧誘・投資助言ではありません。投資は自己責任でお願いします。日程・会社計画は2026年10月8日時点の公表資料に基づくもので、関連報道・株価の基準日は各記載箇所を参照してください。「予想」と書いた日付は筆者の推定です。

Liquid_snake この記事を書いた人

東京工業大学(現・Institute of Science Tokyo)大学院 機械系 修士課程修了、修士(工学)。バイク・株・PC・ガジェット・旅行について、自分で試したこと・調べたことだけを書いています。愛車は刀とDR650SE。2013年から16カ国を訪問。株は調べ尽くしたうえで、最後は直感で買います。

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